母音を教える専門の先生がいるって聞いたことありますか。
しかも、アメリカになんです。
私はあるウオーキングクラブに属しています。5,6年前に友達に誘われてはいりました。
ハイキングは小学校の遠足以来、なかなかいいものです。三々五々、野や山を誰かれなく共に歩くのは、心の健康、体の健康にとてもいいと、時間を見つけては参加しています。
そのクラブ入りを勧めてくれた友人は40年来の友。電車が目的地に着くまで、たいてい隣り合わせに座るのですが、その日はたまたまその友人が不参加で、隣りに座ったMさんと話が弾んでいました。
しばらくして、Mさんはふと前に座った人の新聞に目をとめて言いました。
「アメリカでは、あのような写真は新聞に載ることがありません。」
そこで私の探求心が頭をもたげて、Mさんにこう言いました。
「えっ? あら、アメリカにいらしたの? ね、ハットって言ってみて!」
「ハアトゥ」
「もう一度言ってみて」
「ハアトゥ」
私は耳と目を疑いました。
私の主張する口の形、ハアトゥの『ア』を口を横に開いて発音し、3音で発音するではありませんか。
Mさんのように、発音記号の通り発音する日本人にお目にかかったことがありません。
私は驚き、彼女は私が驚いたことに驚きました。
それからはその話で持ち切りです。
なんでも、アメリカには日本人駐在員の子供に英語の発音を母音を中心に教える『母音の先生』と呼ばれる先生がいるそうなのです。Mさんのご主人は、ニューヨークのマンハッタン島から1時間ほど車を走らせたところが赴任先だそうなのですが、到着早々、先赴任している先輩奥様から進められて、その母音先生のもとで子供に半年間個人レッスンを受けさせたそうです。
今では、ネイティブのように発音をする子供の真似はとてもできないとご謙遜されるMさんですが、その発音は完璧で、私の指摘するポイントをすべてクリアしていました。
70音の主張する母音の大切さをレッスンの柱として授業していることに驚き、また「アルファベット70音」発音法に太鼓判を押してもらえた喜びで幸せに包まれながら、私は清々しい気持ちで目的の駅に降り立ちました。
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